2026-10-23 合同会社バリイド
ローカルLLMの機種を選ぶとき、最初に分けて考えるべき数字が2つあります。モデルが「載るか」はメモリ容量で、「速いか」はメモリ帯域で決まります。この2つを混ぜると、高い機種を買ったのに目的のモデルが動かない、ということが起きます。
モデルを動かすには、重み(パラメータ)をすべてメモリに置く必要があります。必要な容量はおおよそ次の式で見積もれます。
たとえば Qwen3.8-Flash-Next は総パラメータ125B(1,250億)で、量子化したファイルでも約90GBあります。メモリ32GBの RTX 5090 には載りません。128GBの統合メモリを持つ Mac Studio M5 Max や DGX Spark なら載ります。
文章を1トークン生成するたびに、計算に使う重みをメモリから読み出します。読み出す量が少ないほど、また読み出す速さ(帯域)が大きいほど速くなります。
最近の大きなモデルの多くは MoE(Mixture of Experts)という構造で、総パラメータが大きくても、1トークンごとに使うのはその一部です。Qwen3.8-Flash-Next は総パラメータ125Bに対して、1トークンで使うのは6Bだけです。そのため、容量さえあれば帯域が中くらいの機種でも実用的な速さで動きます。
この式に効率の係数をかけて、Mac Studio M5 Max(帯域 614GB/s)での Qwen3.8-Flash-Next の速度を予測すると約29 tok/s になります。第三者が公開している M5 Max 128GB での実測は33 tok/s で、差は約12%でした。当社はこの式を、機種ごとの速度の予測に使っています(誤差は±30%と見ています)。
どのモデルをどの機種で動かすかは、用途別のモデル選定と機種とプラットフォームにまとめています。ご用途とご予算からは、構成を選ぶで機種と参考総額をその場で確認できます。